歴史の中で平和のために行動した人々の記録
平和とは何でしょうか。
それは、戦争がない状態だけではなく、誰かの命を守る行動であり、差別に立ち向かう勇気であり、未来のために木を植えることかもしれません。
ここでは、歴史の中で実際に行動し、社会に大きな影響を与えた6人の実践者をご紹介します。
彼らの生き方や言葉から、あなたが考える「平和」のかたちを見つけていただければ幸いです。
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アンリー・デュナン / Jean Henry Dunant(スイス)
平和とは「敵味方なく手を差し伸べること」
赤十字の父。
1859年、ソルフェリーノの戦いで負傷兵が放置される様子を目撃し、敵味方を問わず救護活動にあたった経験から、人道支援の必要性を訴えました。
彼の著書『ソルフェリーノの思い出』は国際的な反響を呼び、1863年には赤十字の前身組織が設立され、1864年にはジュネーブ条約が締結されました。
1901年、デュナンは初のノーベル平和賞を受賞しました。
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マハトマ・ガンディー / Mahatma Gandhi(インド)
平和とは「非暴力で不正に立ち向かうこと」
インドの独立運動を非暴力で導いた指導者。
塩の専売制度に対する「塩の行進」など、非暴力・非協力の手法で多くの民衆を動かしました。
27年間にわたって投獄されながらも信念を貫き、1947年にインド独立を迎えます。
1948年、暗殺されましたが、その思想は今も世界各地に影響を与え続けています。
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マララ・ユスフザイ / Malala Yousafzai(パキスタン)
平和とは「すべての子どもに学ぶ権利があること」
女子教育の重要性を訴え続ける教育活動家。
タリバンによって学校が攻撃されるなか、11歳で自身の体験をブログで発信。2012年、通学中に銃撃されるも奇跡的に回復し、その後も教育の権利を訴え続けています。
2014年、ノーベル平和賞を史上最年少(17歳)で受賞。
現在は「マララ基金」を通じて、世界中の女の子たちの教育機会を支援しています。
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ネルソン・マンデラ / Nelson Rolihlahla Mandela(南アフリカ)
平和とは「人種を超えて共に生きること」
アパルトヘイト撤廃のために尽力した南アフリカの政治家。
27年間の投獄を経て、1994年に(人種関係なく)全国民による選挙で大統領に選出。
人種間・民族間の報復を避けるため、対話と和解による国家づくりを進めました。
1993年にはノーベル平和賞を受賞。
その後も国内外で平和と人権のために活動しました。
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ワンガリ・マータイ / Wangari Muta Maathai(ケニア)
平和とは「自然と暮らしを守ること」
環境保全と女性の権利向上に取り組んだ活動家。
1977年にグリーンベルト運動を開始し、女性たちと共に植林活動を広げました。
環境の回復が地域の暮らしを支え、人々の誇りや自立を取り戻すことにつながるという考えのもと、運動は国を越えて広がりました。
2004年、ノーベル平和賞を受賞。
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中村 哲(日本)
平和とは「命を支える基盤を築くこと」
医師・ペシャワール会現地代表。
1980年代よりアフガニスタンやパキスタンで医療支援を行い、後に干ばつ地帯での灌漑用水路建設に取り組みました。
現地住民と共に25km以上の用水路を建設し、数万の人々の暮らしを支える環境を整えました。
2019年、現地で銃撃を受けて亡くなりましたが、その功績は国内外で高く評価されています。
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🌿わたしたちにできること
彼らが遺したのは、思想や言葉だけではありません。
それぞれの行動が、今もなお多くの人々の命や未来を支えています。
わたしたちWiY-UPも、教育・環境・地域との関わりを通して、小さくても確かな「平和の種まき」を続けていきます。